PM2 5の健康障害 - WordPress.com...PM2.5による死亡率の主な疫学調査 1993...
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仙台PSを問うシンポジウム 2017年10月1日
PM 2.5 の 健 康 障 害
嵯 峨 井 勝つくば健康生活研究所・代表
青森県立保健大学・名誉教授
東大大学院・医学研究科・非常勤講師
元・国立環境研究所・大気影響研究チーム総合研究官
(1 )
PM2.5PM2.5
NO2SO2
SO4
PM 2.5 の 発 生 源
DEP
NO2
微小粒子(FPM) SO2
石炭・石油燃焼 軽油
有機物PAHs
(ex. BaP)
NO3
---
火 山黄 砂
(家庭暖房)
(Diesel Exhaust Particles)(2)
自然由来
船舶(1万7千隻/年)
PM 2.5 の 大 き さ
細胞
0.1μm
SPM(浮遊粒子状物質)
(微小粒子)
ナノ粒子
(3)
.
インフルエンザウイルスは0.1 μm くらい
1000(1mm)
1001010.10.01粒 径 (μm)
降下ばい塵
SiO2, Fe2O3Al2O3,CaO,SO4--,
(有機物等約20%)
PM2.5超微小粒子
時 代 に つ れ て 変 化
大 気 中 粒 子 状 物 質 の 種 類
粒
子
濃
度DEP 工場排煙、
土埃、海塩、都市部SPMの約70%占めるUFP
粗大粒子
微小粒子
ナノ粒子
SPM (PM10)
(4)
米国6都市調査:大気汚染レベルと死亡率
Total Particles 微小粒子 Sulfate Particles
Aerosol Acidity
Ozone 亜硫酸ガス(SO2)
調査期間は1974-1991、死亡率データ は1979-1989年
硫酸塩粒子
総粒子状物質
粒子の酸性度
オゾン
死亡率
死亡率
(O3)
1993(PM2.5) 2 9.6
20.819.0
14.912.5
11.0
(5)
あ る 県 の PM2.5 の 成分比 (%)
夏 季元素状炭素
有機炭素
アンモニウムイオン
硝酸イオン
硫酸イオン
その他
11
冬 季(平均13.5μg/m3)
21
10
NO3-5%
30
23
元素状炭素 EC有機炭素 OCアンモニウムイオン
硝酸イオン
硫酸イオン
その他 Si, Al, Fe,( Ca, Mg, Mn, Zn, Pb, As, Hg, Cr, Ni)
11
22
131817
19
平成24年度(調査6地点の平均値)
(平均13.0μg/m3)
EC
OC
NO3-SO4
BC
- -
(6)
表1.PM 2.5 or DEP の 健 康 影 響
人への影響(含・疫学報告) 国の評価
・ 死亡率増加 認識あり
・ 肺がん 原因因子と認定
・ 花粉症 原因かどうか不明
・ 気管支喘息 因果関係を否定
・ 心疾患・糖尿病患者の死亡率増加 認識あり
動物実験での影響報告:
・上記 ヒト への影響は動物実験でもすべて報告あり
・ 生殖器影響 (精子減・異常、低体重・奇形児出生)
・ 脳神経細胞の減少 (ヒト、イヌ: アルツハイマー病・
パーキンソン病様病態発現)(7)
PM2.5 による死亡率の主な疫学調査
1993 米国六都市調査 ‘74ー90 微粒子と死亡に相関死亡率1.26倍
発表年 調査名 調査期間 結 果
1995 米国全土5万人 ‘82ー89 きれいな地域より(9.0ー24.5 μg/m3) 死亡率1.17倍増加、
2006 米国六都市調査 ’90ー98 10μg/m3 増えるの継続調査 ごとに死亡16%増
2013 欧州22報の ’92ー07 5 μg/m3 増ごとにメタアナリシス 死亡率7%増
2017 米Medicare加入 ’00ー12 10μg/m3 増える者6千万人調査 ごとに死亡7.3%増
(死亡曲線は低濃度まで直線的)
(11.0-29.6 μg/m3 )
(8)
50死
亡
リスク
6 8 1012 14 16
PM2.5 と オゾンの死亡リスク
1.00
1.02
1.04
1.06
1.08
1.10
μg/m335 40 50 60
ppb
PM 2.5
オゾン
Di Q, et al:New Eng J Med, 376, 2513-22, 2017.
参:日本人年間 6.5万人死亡Global Burden of Disease(世界の疾病負荷研究) 2013
(9)
日本
米国
WHO
PM2.5 による年間早期死亡者数推計東京・千葉ケーススタディ (2016年5月)
0
20
40
60
肺がん
虚血性
心疾患
脳卒中
その他の心
血管疾患
その他の
呼吸器疾患
早期死亡者数
年間
(人)
Lauri Myllyvirta 氏(グリーンピース・インターナショナル 石炭・ 大気汚染部門・上級キャンペーナー)が、Krewski D, HEI Res Repot 140, 5-114, 2009 のデータから試算 (気候ネットワーク 2016, 5月号に掲載)
10ケ所予定
(10)
PM 2.5 の元素状炭素 (EC)による 活性酸素 産生
/マクロ
H2O2
・OH
鉄
DNA損 傷
(8-OHdG)
突然変異
発がん
PM2.5、タバコ煙、細菌
銅
ファージ
e = H- +
or (・OOH)
e-
e-
e-
e-
e-
(11)
O2-
O2-
O2-
PM2.5 中 の 有機炭素(OC)の 代謝 にによる 活 性 酸 素 産 生 の 仕 組 み
e-
e-
OC(有機炭素)
コ ア
セミキノン・ラジカル
キノン様化合物
(12)
LDL
活性酸素
酸化酸化LDL
平滑筋層
血管内皮細 胞 層
泡沫細胞
活性酸素は悪玉コレステロール(LDL)を酸化する。酸化されたLDLをマクロファージが貪食し、泡沫細胞になり、内皮細胞下層に蓄積し粥状硬化層を形成する。
平滑筋層
動 脈 硬 化 発 症 の 仕 組 み
マクロファージ
炎症
酸化
粘膜下層
動 脈 硬 化 巣 の 写 真
血管内腔
(平滑筋層)
(コラーゲン層)
血管内皮細胞層
PGE2
慢性炎症
MAPKs
COX2 等のmRNA↑
NFkB
NFkB
P
TNFα,IL-1, IL-6
ROS
IkBα IkBα
NADPH-oxidaseNADPH-酸化酵素
Myeloid Diffe factor
炎症性サイトカイン
酸化酵素
核 膜
アダプター分子
炎症初期
P化
消去
cf. 細菌膜,BaP,
飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸
細胞膜
DNA
K=kinase
核膜核内
受容体
(26)
TLR
抗酸化物質VC,VE,クルクミン、
ポリフェノール、カロテン
活性酸素(ROS)TNFα, IL-1, IL-6 疾 病
・神経系の炎症・酸化ストレス・タンパク凝集
細胞や組織の死亡
PM2.5 (DEP, ナノ粒子)の神経系への影響
嗅覚上皮
呼吸器鼻 腔
(15)
0
-2
-4
-6>100m 50-100m <50m
1日千台以上の自動車道路からの距離 1日千台以上の自動車道路からの距離
PM2.5汚染の距離減衰
自動車由来粒子状物質汚染に伴う人の認知機能低下(左図)と PM 2.5 の距離減衰(右図)
認知機能
テスト・スコア
(16)
-18%
100m
Ranft U: Environ Res,109, 1004-11, 2009.
PHAs曝露高低による認知機能の違い
全検査IQ(p=0.007)
言語性IQ(p=0.003)
動作性IQ(p=0.17)
平
均
スコア
80
8590
95
100
105110 Perera FP: Pediatric, 124,
e195-e202, 2009.
******
NS
低高
高
低高
低
エピジェネチックな変化
え
DNAの塩基配列の変化を
伴わない遺伝子の変化で、安定的に遺伝情報が受け継がれうる変化
① DNAのメチル化② ヒストンのアセチル化③ その他 (miRNA 発現)
エピジェネティックな変化
Miller RL, et al:Am J Respir Crit Care M177, 567-578, 2009.を筆者が一部改編
母親の遺伝子
父親の遺伝子
子供の遺伝子
環境因子
大気汚染物質、タバコ煙アレルゲン、環境ホルモン
抗生物質、食品、他
or
喘息発症に関するエピジェネティックMiller RL, Ho SM: Am J RespirCrit Care Med, 177, 567-73, 2008.
(17)
ま と め・ PM2.5 と ヒトの死亡率との関連を示す事実多数
----- 死亡率はPM2.5の低濃度域まで直線的
----- 環境基準値以下でも有意な死亡率増加有
----- その死因は肺がん、脳血管疾患、脳卒中、
慢性閉塞性肺疾患、その他の肺疾患、他
・ PM2.5 は人の認知機能、記憶学習能をも低下
上記の発症はPM2.5から生じる活性酸素による
・ PM2.5 はエピジェネチック な遺伝子変異起こし
----- 次世代の疾病を増加(生活習慣病の増加も)
----- こうした影響は 数ng/m3の PHAsによって生じる(18)
Aβ42
酸化ストレス
(H2O2, ・OH)活性酸素
Fe, Cu
GSK3リン酸化酵素(GSK-3β)
タウ・タンパク質のリン酸化
神経原線維変化(神経細胞の崩壊)
脳神経細胞膜障害
(オリゴマー、老人斑)アストロサイト等の細胞
ミクログリア細胞
アルツハイマー病
サイトカイン
活性化
Aβ40脳神経細胞膜
脳神経細胞膜
酸化ストレスによるアルツハイマー病のメカニズム
APP
(加齢などで促進)
(アミロイド前駆体タンパク質)
酵素による分解
DEP、PM 2.5ナノ粒子
(19)
川崎市の喘息患者数と浮遊粒子状物質(SPM)
(一般局年平均値)の経年変化
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
1.2喘息患者数/15
SPM濃度x10
積算SPM15
12
9
6
3
0
気管支喘息患者数
人口千人対
人浮
遊
粒
子
状
物
質
濃
度
mg/m 3
このデータはSPM濃度が低下し続けているのに喘息患者は増え続けていることを示す(各破線データ)。しかし、SPMの累積濃度(実線)は喘息と高い相関示す。
(20)
オキシダントと喘息発症率の年次推移
00.5
11.5
22.5
33.5
44.5
5
1981
1984
1987
1990
1993
1996
1999
2002
2005
2008
2011
2014
Oxが環境基準値(60ppb)
を超過した時間数(年間)
喘
息
の
罹
患
率
%
500
400
300
200
100
0
が基準値を越えた年間の時間数
hr
小学生
中学生
高校生
全国の値
(21)
全国の小学生の喘息の有病率とOx が 60 ppb を超過した時間数との相関
y = 0.0107x – 0.8419
R² = 0.8444r = 0.919p < 0.01
0.00
0.50
1.00
1.50
2.00
2.50
3.00
3.50
4.00
4.50
0 200 400 600
気管支
喘息
の有病率
%
Ox の 60 ppb 超過時間数(hr)
Ox 60 ppb 超過時間数(hr、右目盛り)
気管支喘息罹患率(%、左目盛り)
0
200
400
500
300
100hr
% %
00.5
11.5
22.5
33.5
44.5
5年
度
1983
1986
1989
1992
1995
1998
2001
2004
2007
2010
1981
有病率
(23)
0
1
2
3
4
5
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36
Oxの基準値超過時間数
川崎病罹患率
幼稚園児の喘息罹患率
5Ox基準値超過と喘息、川崎病の罹患率
4
3
2
1
0
罹患率
%
と時間数
1
(22)
健康阻害リスク因子と疾病発症率(%)高血圧 1
喫 煙 2アルコール 3
室内燃焼汚染 4果物摂取不足 5
高BMI 6空腹時高血糖 7幼児期低体重 8
PM大気汚染 9運動不足不活発 10
食塩高摂取 11
0 2 4 6 8
9
ナッツ類不足 12鉄分欠乏 13
母乳保育外 14高コレステロール15
16 穀類摂取不足
障 害 調 整 生 命 年 (DALY,%)
17 野菜摂取不足18 魚介・n-3 脂肪酸不足
19 薬物使用20 障害の職業性リスク因子
Lim SS et al: Lancet, 380,2224-60, 2012.
Global Burden of Disease Study 2010.
(24)
DALY=病的状態、障害、早死ににより失われた年数を意味する疾病負荷を総合的に示す指標
心血管疾患
がん慢性呼吸器疾患
心血管疾患
下痢、下部呼吸器等感染症
栄養失調
糖尿病
欧州25都市のPM2.5 濃度と損失余命(月)
(25)
「大気汚染は改善傾向にあるのに患者が
減らないのはどうしてか? (1)
1) PM2.5 汚染は改善しつつあるとはいえ、東京都内
などの大都市部では未達成 が長らく続いていた
2) SPMの環境基準値そのものが適切でなかったーà そのために、喘息患者が増え続けた
・ 日本のPM2.5の環境基準値は 15 μg/m³ (2009年制定;米国は1997 )・ 都内ではSPMの7割が PM2.5、SPM基準値の年平均値≒50 μg/m³
50 x 0.7 = 35、 35 / 15 =2.33 倍・ 日本ではSPM 環境基準値レベルの地域で約 2 倍の罹患率あった、・ 米国の現在の PM 2.5 の環境基準値=12 μg/m³・ WHO基準=10 μg/m³参) 米国政府は Regulatory Impact Analysis も実施; 産業界は政府を裁判に訴えたが負けた。 日本は政府は産業界を優先する政策で患者を苦しめた。この差は何か?
(27)
「大気汚染は改善傾向にあるのに喘息患者
が減らないのはなぜか (2)
3) 喘息のような慢性疾患は汚染と直ちに連動しない、
・ 喘息児童増加はディーゼル車ピーク時より10年のタイムラグあり、
・ 四日市喘息では過剰発症収束には環境基準クリア後5年を要した、
4) 汚染の中身は時代と共に変化している
・ 今後は PM2.5 よりもっと毒性の強いナノ粒子が問題
5) 喘息等のリスクは胎児期汚染や母親の汚染を引き継ぐ
・ 大気汚染による後天的遺伝子修飾が罹患リスクを高めるエピジェネ
ティック 変化(DNA 配列の変化なしに遺伝情報が受け継がれる)有
大切なことは: 科学的事実 と 現実 をどう考え、過去の歴史をどう生かすかであろう。
(28)
PM 2.5 中の硫酸塩は喘息の 原因物質なのか?
大気中 PM2.5 の中の硫酸塩 が人の死亡率と相関しているとの疫学報告 は多い。(Dockery WA et al, 1993; Pope CA et al, 1995, 2002, 2007 など)
しかし、以下のような理由で、硫酸塩が喘息の原因物質とは考えずらいようにみえる ??1) 硫酸塩は体内でもアミノ酸等から合成されている、2) 体内には硫酸転移酵素があり、硫酸を代謝活用している(榊原ら、Dojin News, 129、1-9, 2009)3) 硫酸イオンは細胞内陰イオンの約10%を占めるほど細胞内に多量に存在している。4) 硫酸イオンは血清中に約5mg/dl、尿中に170mg/dl で存在(分析化学、29、543ー47、1980)。5) 薬物・異物の抱合剤として硫酸は積極的に利用されている(硫酸抱合反応)。6) 気道にはヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸等が多い、
細胞表面に存在し、細胞増殖因子、酵素、プロテアーゼインヒビターなど様々な生理活性物 質と結合し、その活性制御に関わっている。
7) また、細胞外マトリックス中にも存在し、細胞の係留、生理活性タンパク質の保持、物質透過の制御 などの機能にも関与している。
8) 喘息患者への吸入でもほとんど影響がないとの報告が多い、硫酸化酵素がプロスタグランジン(PG)やロイコトリエン(LT)のような炎症メ性ディエーターを硫酸化して、炎症を鎮静化するとの報告あり (BBRC, 254, 65-69, 1999)。
9) 硫酸イオンが生物学的な毒性を示すというメカニズムの報告が無い、cf: DEPからの活性酸素が有毒とするのに対抗しうるような メカニズム の説明が欲しい。
注) SO2、H2SO3 が 喘息誘発物質であることは間違いない。それらはフリーラジカル・活性酸素を生じるため。しかし、硫酸塩にはその作用はなくい。硫酸塩の由来が不明でもアセスはで きる。健康影響を考えるならば、化石燃料の燃焼に由来するブラックカーボン(BC=EC+OC)を指標として環境アセスメントをすべきであろう。(参: 人は1日約15m3の空気を吸う。血液は約5L)(29)
Reiss R, 2007,Sarnat SE, 2015.
私達の体内で作られる物質はどれでしょう ?
窒素化合物: NO,NO2 , NO3 , NH3,
硫黄化合物: H2S,SO4 ,
酸化物: O3 (オゾン)
酸化炭素: CO,CO2,
--
2-
(30)
Aβ42
酸化ストレスROS
Fe,Cu
GSK3リン酸化酵素
タウ・タンパク質のリン酸化
神経原線維変化
脳・神経細胞障害
(老人斑)
アルツハイマー病
脳・神経細 胞 膜
活性酸素
Aβ40(((アミロイド前駆体タンパク)AP
P
アルツハイマー病発症には活性酸素が関与
酵素による分解
20
①セクレターゼ阻害②Aβワクチン、③ Aβ分解酵素
(ネプリライシン)
21 正常LDL
貪食
・OHO2
ー
活性
酸素酸化LDL
脂質が蓄 積
血管粘膜下層
炎症
動 脈 硬 化 が 起 こ る 仕 組 み
泡末細胞
21 平 滑 筋 肉 層
• SPM
浮遊粒子状物質(SPM)濃度の年平均値の推移
一般局 の SPM
自排局のSPM
S49 S53
‘78‘80 ‘86 ‘90
濃
度
mg/m
3
0.08
‘95 ‘98 ‘02 ‘06 ‘10H 2
H20
0.04
0.0‘74
0.12
0.16
環境基準値(1日の平均値)0.10
環境基準値の年平均値相当0.06
0.02
公健法改 悪
0.05mg/m3
PM2.5
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
1981
1983
1986
1990
1994
1997
2000
2002
2005
2007
2009
小学生
中学生
高校生
ディーゼル車の割合
図1.児 童・生 徒 の 喘 息 の 年 次 推 移と大型デ ィ ー ゼ ル 車 増 加 の 年 次 推 移
H2 H20
S56‘80
H2‘90
H12‘00
H22‘10
ディーゼル車の割合
小学生
中学生
高校生
%
A
20年間のタイムラグ
がん は 遺伝子の損傷で起こる 病気
・遺伝子の損傷は活性酸素で起こる (こと多い)
・活性酸素は たばこ、過食、炎症、放射線 等で
(H2O)
放射線
・がん細胞
・正常細胞
放射線で “がん” になる仕組み
細胞
(HOO・)O2
- H
7
・ 1952年: ロンドンスモッグ事件・ 1955年: ばい煙防止法(東京都)、’56 :水俣病の公式発見
・ 1962年: ばい煙排出規制法(国)、・ 1967年: 公害対策基本法、 四日市喘息被害者提訴、・ 1968年: 大気汚染防止法、 イタイイタイ病提訴、’69:水俣
・ 1970年: 公害国会(公害関連14法案成立)・ 1971年: 環境庁設置・ 1972年: 自然環境保護法、 四日市公害一次判決・ 1973年: 公害健康被害補償法(公健法)、
第一次オイルショック、国立公害研究所開設・ 1987年: 公健法一部改定 (地域指定解除、新規認定放棄)
・ 1992年: ブラジル・地球サミット・ 1993年: 環境基本法 (地球規模の環境問題)、米国6都市調査、
・ 1997年: 米国PM2.5環境基準値設定・ 1998年: SPMと喘息の因果関係初認定 (川崎裁判)・ 2001年: 自動車NOx・PM法・ 2009年: 日本PM2.5 環境基準値設定
ばい塵
二酸化硫黄
浮遊粒子状物質
SPM
二酸化窒素
PM2.5
日 本 の 大 気 汚 染 の 歴 史
S30
S7
S37
S42
S43
S45
S46
S47
S48
S62
H 4
H 5
H 9
H10
H13
H21
光化学オキシダント生成と健康影響
光化学スモッグ
03,
OPAN
(CH3CO
ONO2)
窒素酸化物+VOC
O3O
生成条件
① 気温が25 C以上② 2.5時間以上日照り③ 風が弱く、夏型の
気圧配置である
④ VOC / NOx の比が大きい
健康影響
①目:痛い、かゆい、涙、ゴロゴロ②鼻:クシャミ、鼻水、鼻づまり、③喉:渇く、痛い、異物感、声枯れ④胸部:咳、痰、息苦しい、痛み、⑤手足:しびれ、脱力感、吐き気、⑥ 全身:だるい、頭痛、硬直性痙攣、⑦ 臓器:中毒性神経炎、同肝肥大、
=
アルデヒド類
(CH3-CHO)
(NOx)
活性酸素ができるプロセスそれは電子(水素)を受け取る反応である
SOD
(オーエッチ・ラジカル)
鉄
SOD(オキシフル)
H2Oe- カタラーゼ(・OOH)正
常な呼吸
e = H+-
-e
9
エネルギー
NO2濃度と子供の喘息発症率の関係
NO2 (ppm)
疫学的過誤
喘息患者数と NO2 あるいは SPM との相関NO2と喘息発症率との間には相関性あるがSPMにはない
津久井小田原
相模原
磯子区
鶴見区
中区
川崎区
横須賀
藤沢
幸区平塚
神奈川県医師会調査(1990)
田園地区-----à大都市部
気管支喘息発症率とSPM濃度(環 境 庁 の 疫 学 調 査・1997年)
そら(SORA)プロジェクトの概要 (2012.5)
[学童調査]: H17〜21年にかけ、1〜3年生12,500人対象に4年間
コホート調査, 関東、中京、関西 57小学校、幹線道路沿道、
個人暴露量と気管支喘息発症率の関連 (オッズ比)解析種別 解析内容 EC(0.1μg/m3当たり) NO2 (1ppb当たり)主要な解析 ①
副次的解析 ②
2.08* (1.90-2.27) 1.10*(1.07-1.12)1.07* (1.01-1.14) 1.01 (0.99-1.03)
参: ① 暴露期間を新規発症前2年間、または追跡終了時前2年間:② 調査期間を1年ごとに区切った離散時間ロジスティックモデル:
患者側主張: 大気汚染の個人暴露量と気管支喘息発症率との間に有意な関連あり。故に、自動車排ガスによる大気汚染と気管支喘息の因果関係は明らか。
環境庁主張: 主要な解析と副次的解析で、オッズ比が大きく違っている。故に、「関連性の程度(強さ)については、十分な科学性を持って確定付けることまでは現時点では難しい。」
沿 道 大 気 汚 染 訴 訟 とその 判 決
これまでの公害、薬害問題からの教訓
1) 人の痛みに対する思いやり不足、
2) 営利主義 対 予防原則
3) 事実を直視しようとしない姿勢・体制、
4) 因果関係が不明を理由に、対策を軽視・放棄、
5) 科学者の犯罪的役割、 役人の不作為、
6) 温故知新(歴史に学ぶ)、
7) 公害、薬害 等では必ず差別を伴ってきた、
私達はどうあるべきか、何を学ぶべきか
冠 状 動 脈 の 硬 化 病 巣 図動脈硬化はコレステロールやCaが沈着して形成される粥腫により血管の内腔が狭くなって起こる。この部分で滞った血液が固まって血栓となり、血管の内腔をふさぐ。
外膜
中膜
内膜
血栓
粥腫
血管内皮細胞層
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