技術資料

１.　スーパーシールP－601の特徴

２.　スーパーシールP－601の性状

３.　スーパーシールP－601の試験結果

　　 ３.１　含浸物の封孔性及び耐久試験

　　 ３.２　洗浄試験

４.　スーパーシールP－601の取り扱い方法

　　 ４.１　荷姿

　　 ４.２　主剤と硬化剤の混合方法

　　 ４.３　使用中の管理

　　 ４.４　作業上の注意

　　 ４.５　安全衛生上の留意点

５.　スーパーシールP－601の分析表

　　 ５.１　有害物質（重金属類）分析

　　 ５.２　排水分析

　　 ５.３　JWWA K 139　溶出試験

６.　関連商品

　　 ６.１　真空ポンプ用オイル

　　 ６.２　防錆剤

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　　1

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　　2

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　　3

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　　3

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　　6

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　　7

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　　8

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　　8

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　　8

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　　9

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　　9

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　 10

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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・　 10

目　　　次

―１―

（1）�含浸効果が高い

　　�スーパーシールP－601は、低粘性・低表面張力のため浸透性が著しく高く、優れた

� 金属密着性を持つために高い含浸効果を得ます。

（2）　�含浸硬化後の耐久性が優れる

　　�スーパーシールP－601の硬化した樹脂は、優れた耐熱性・耐薬品性を持ち様々な用途の

� 部品に対して含浸が可能です。

（3）　�水洗のみで充分な洗浄効果

　　�スーパーシールP－601は、含浸工程における水洗浄性に優れ様々な形状の部品に

� 対して高い洗浄効果を得ます。

　　

（4）　�含浸装置のスタイルを問わない

　　�スーパーシールP－601は、「インライン含浸」から「バッチ含浸」まで対応する

� ことが出来ます。

（5）　�高い信頼と実績

　　�スーパーシールP－601は、有機含浸剤のスタンダードとして、日本をはじめ世界各地

　　�でご使用頂いております。

１.　スーパーシールP－601の特徴

―２―

成　　分　　　　メタクリル酸エステル

外　　観� 無色透明液体

臭　　気� エステル臭

密　　度� 1.06� g／cm3� （25℃　JIS K 0061　振動式密度計）

粘　　度� 6� mPa・s� （25℃　JIS K 7117　B形回転粘度計）

表面張力� 37×10－3� N／m� （25℃　デュヌイ表面張力計）

BOD（1％aq）� 3，300 � mg／r� （JIS K 0102　隔膜電極法）

COD（1％aq）� 9，800 � mg／r� （JIS K 0102　過マンガン酸カリウム滴定法）

消 防 法� 第2条危険物第4類第3石油類水溶性液体　危険等級Ⅲ　指定数量 4000r

引 火 点� 113� ℃� （JIS K 2265　クリーブランド開放式引火点試験）

水 溶 状� 水溶性� � （水溶性確認試験）

シェルフライフ�12か月（冷暗所保管）

２.　スーパーシールP－601の性状

―３―

３.１　含浸物の封孔性及び耐久試験

　　 　含浸方法及び試験片

３.　スーパーシールP－601の試験結果

湯浸硬化

水切り

液切り

水　洗

含　浸

乾　　燥

・含浸工程

・含浸装置�� BS-900A

・真空ポンプ排気量� 250m3／h

・試験片� 材　　質� ADC12

� 鋳造方法� ダイカスト

� 検 査 圧� 0.49MPa

� 形　　状� φ60mm×H5mm

真　　　　空

加　　　　圧

遠 心 液 切 り

遠 心 水 切 り

第　一　水　洗

第　二　水　洗

液入れ・浸漬

10　分0.7　kPa

0.5　MPa

80　rpm

80　rpm

90　 ℃

110 　 ℃ 60　分

15　分

5　分

5　分

3　分

3　分

5　回

10　回

上下揺動

上下揺動

－

5mm

φ60

mm

―４―

試験項目及び結果

　◎封孔性試験

　　（※） 鋳巣孔径は　Hagen-Poiseuille　法より算出した理論孔径

漏れ区分

小 漏 れ

中 漏 れ

大 漏 れ

漏 れ 量

1.0㎖／min以下

1.1～20.0㎖／min

20.1～100.0㎖／min

鋳 巣 孔 径（※）

20.0μm以下

20.1～40.0μm

40.1～60.0μm

判　定

合　格

合　格

合　格

試 験 項 目

　◎耐久性試験

検査方法　　検査圧　0.49　MPa（空気圧）　　判定　水没圧検により漏れなきことを合格とします

耐 久 条 件

160℃×400時間

判　定

合　格

合　格

合　格

合　格

合　格

合　格

（ⅰ）耐 熱 性

（ⅱ）耐冷熱サイクル性

（ⅲ）耐 ガ ソ リ ン 性

（ⅳ）耐 Ａ Ｔ Ｆ 性

（ⅴ）耐 Ｌ Ｌ Ｃ 性

（ⅵ）耐モーターオイル性

－30℃×60分⇔150℃×60分250サイクル

25℃×400時間

140℃×400時間

120℃×400時間

140℃×400時間

―５―

試験方法

（ⅰ）耐熱性試験

　　　封孔性試験で合格したADC12試験片（以下試験片）を用意します。試験片を

　　　160℃に設定された熱風循環式乾燥器にセットします。所定時間ごとに取り出し、

　　　試験片を常温まで放冷した後に、0.49MPaの空気圧で水没試験を行います。

（ⅱ）耐冷熱サイクル性試験

　　　封孔性試験で合格した試験片を用意します。試験片を熱衝撃試験装置にセット

　　　し、－30℃／60分～＋150℃／60分を1サイクルとし250サイクル行います。所定

　　　サイクルごとに取り出し、試験片を常温まで放冷した後に、0.49MPaの空気圧で

　　　水没試験を行います。

（ⅲ）耐ガソリン性試験

　　　封孔性試験で合格した試験片を用意します。試験片を25℃に保たれたガソリン

　　　に完全に浸漬させます。所定時間ごとに取り出し、洗浄溶剤で試験片をよく

　　　洗い、常温中で30分間乾燥した後に、0.49MPaの空気圧で水没試験を行います。

（ⅳ）耐ATF性試験

　　　封孔性試験で合格した試験片を用意します。試験片を140℃に保たれた

　　　ATF（DEXRON Ⅱ 規格品）に完全に浸漬させます。所定時間ごとに取り出し、

　　　洗浄溶剤で試験片をよく洗い、常温中で30分間乾燥した後に、0.49MPaの空気圧

　　　で水没試験を行います。

（ⅴ）耐LLC性試験

　　　封孔性試験で合格した試験片を用意します。試験片を120℃に保たれたLLC

　　　（JIS K 2234－2種合格品を30％水溶液に希釈）に完全に浸漬させます。所定時間

　　　ごとに取り出し、水で試験片をよく洗い、100℃の熱風循環式乾燥器で30分間

　　　乾燥した後に、0.49MPaの空気圧で水没試験を行います。

（ⅵ）耐モーターオイル性試験

　　　封孔性試験で合格した試験片を用意します。試験片を140℃に保たれたモーター

　　　オイル（グレード　10W－30）に完全に浸漬させます。所定時間ごとに取り出し、

　　　洗浄溶剤で試験片をよく洗い、常温中で30分間乾燥した後に、0.49MPaの空気圧

　　　で水没試験を行います。

―６―

３.２　洗浄試験

　　試験方法

　　　　スーパーシールP－601により含浸、洗浄、硬化した後、各ボルト穴を

　　　　JIS2級ゲージにより検査します。

試験結果

・工程１ 含浸 液切り 水洗上下5回 水洗上下10回 水切り 湯浸硬化→ → → → →

含浸 液切り 水洗上下5回 水洗上下10回 湯浸硬化回転洗浄→ → → → →

ボ ル ト 穴 向 　 き 判　　　　　定

ボ ル ト 穴 向 　 き 判　　　　　定

合　　　格

合　　　格

下 向 き

横 向 き

合　　　格

合　　　格

下 向 き

横 向 き

合　　　格

合　　　格

下 向 き

横 向 き

合　　　格

合　　　格

下 向 き

横 向 き

合　　　格上 向 き

合　　　格上 向 き

合　　　格上 向 き

合　　　格上 向 き

M4×H12mm

M6×H18mm

M10×H30mm

M8×H25mm

M4×H12mm

M6×H18mm

M10×H30mm

M8×H25mm

・工程２

４.１　荷姿

　　スーパーシールP－601

　・スーパーシールP－601（主剤）

　　（消防法　第2条危険物第4類第3石油類水溶性液体　危険等級Ⅲ）

　　　法令に従った危険物貯蔵所にて直射日光を避け、冷暗で保管して下さい。

　・スーパーシール硬化剤

　　　消防法　第2条危険物第5類アゾ化合物第2種自己反応性物質

　　　毒劇物取締法　第2条別表第2劇物　有機シアン化合物及びこれを含有する製剤

　　　PRTR法　第一種指定化学物質　No.13

　　　船舶安全法、航空法により海外への輸出はできません

　　　法令に従った危険物貯蔵所にて直射日光、火気、衝撃を避け、冷暗で保管して下さい。

　　スーパーシールP－601E（海外輸出対応品）

　　　海外輸出対応品は、スーパーシール硬化剤Eと組み合わせで

　　　スーパーシールP－601Eになります。含浸性能、使用方法等は一切変わりません。

　・スーパーシールP－601E（主剤）

　　（消防法　第2条危険物第4類第3石油類水溶性液体　危険等級Ⅲ）

　　法令に従った危険物貯蔵所にて直射日光を避け、冷暗で保管して下さい。

　・スーパーシール硬化剤E

　　（消防法・毒劇物取締法・PRTR法　非該当）

　　直射日光、火気、衝撃を避け、冷暗所に保管して下さい。

４.　スーパーシールP－601の取り扱い方法

―７―

セット 荷姿NET

スーパーシールP－601（主剤）スーパーシール硬化剤

200kg1kg

ステンレスドラム又はケミカルドラム　2rポリ容器（ポリプロピレン製）

スーパーシールP－601（主剤）スーパーシール硬化剤

18kg90g

アトロン缶 250 ㎖ポリ容器（ポリエチレン製）

セット 荷姿NET

スーパーシールP－601E（主剤）スーパーシール硬化剤E

200kg500g

ステンレスドラム又はケミカルドラム　3ℓポリ容器（ポリプロピレン製）

スーパーシールP－601E（主剤）スーパーシール硬化剤E

18kg45g

アトロン缶 アルミラミネートジップ（PET/AL/PE製）

―８―

４.２　主剤と硬化剤の混合方法

　　スーパーシールP－601（主剤）には硬化剤がついています。

　　スーパーシールP－601（主剤）1容器に対してスーパーシール硬化剤1容器全てを混

　　合して下さい。エアーバブリングや撹拌機等を用いて硬化剤を溶解させてご使用

　　下さい。

４.３　使用中の管理

　　・液温を15℃以下に維持して下さい。

　　・水、切削油、洗浄剤、防錆剤、接着剤等が混入しないようにして下さい。

　　・定期的な濾過をお勧めします。

　　・品質検査は当社で行うことができます。

４.４　作業上の注意

　　含浸作業時には、作業者は保護衣を着用して下さい。

　　　　頭　………　保護帽またはヘルメット

　　　　目　………　保護メガネまたはゴーグル

　　　　口　………　防じんマスク（飛沫防止用）

　　　　体　………　化学用エプロンまたは保護前掛け

　　　　手　………　溶剤用保護手袋

　　　　足　………　安全靴または保護長靴

　　火気厳禁。高温との接近を避けて下さい。

４.５　安全衛生上の留意点

　　吸入した場合：

　　　　　　直ちに新鮮な空気の場所に移動させ、体を毛布などで覆って保温、

　　　　　　安静にし、医師の手当を受ける。

　　皮膚に付着した場合：

　　　　　　直ちに汚染された衣服や靴を脱ぎ、接触部を多量の水及び石鹸水で

　　　　　　充分に洗う。もし皮膚に炎症や痛み等がある場合は医師の手当を受

　　　　　　ける。

　　目に入った場合：

　　　　　　直ちに清浄な流水で15分間以上洗眼する。異常があれば医師の手当

　　　　　　を受ける。

　　飲み込んだ場合：

　　　　　　無理に吐き出させようとしない。意識があればコップ2杯の水を飲

　　　　　　ませ、直ちに医師の手当を受ける。意識がなければ口から何も与え

　　　　　　ず、直ちに医師の手当を受ける。

　　※取り扱いに際してはMSDSを確認の上、ご使用ください。

５.　スーパーシールP－601の分析表

―９―

５.１　有害物質（重金属類）分析

５.２　排水分析

５.３　JWWA K 139　溶出試験（アクリル樹脂塗料）

分析項目 測 定 値 分析方法カドミウム及びその化合物 不検出

不検出不検出不検出不検出不検出

JIS K 0102. 55JIS K 0102. 31JIS K 0102. 54JIS K 0102. 65JIS K 0102. 61JIS K 0102. 66

有 機 リ ン 化 合 物鉛 及 び そ の 化 合 物六 価 ク ロ ム 化 合 物ヒ 素 及 び そ の 化 合 物水 銀 及 び そ の 化 合 物

検査項目 測 定 値0　度0　度

0.5mg／r以下0.4mg／r異常でない異常でない検出しない検出しない検出しない検出しない

規 格 値0.5度以下1度以下

2mg／r以下0.7mg／r以下異常でないこと異常でないこと検出しないこと検出しないこと検出しないこと検出しないこと

濁　　　　　　度色　　　　　　度

過マンガン酸カリウム消費量残 留 塩 素 の 減 量臭　　　　　　気

味ホルムアルデヒド酢 酸 ビ ニ ルス 　 チ 　 レ 　 ンブ タ ジ エ ン

分析項目 測 定 値P－601濃度0.1％ 400 mg／r

mg／rmg／rmg／rmg／rmg／rmg／r

3300960

98002245

200

1.0％0.1％1.0％0.25％0.5％

分析方法

生物化学的酸素消費量　BOD

化 学 的 酸 素 消 費 量　COD

ノルマルヘキサン抽出物質

JIS K 0102. 21

JIS K 0102. 17

JIS K 0102. 241.0％

―１０―

６.１　真空ポンプ用オイル　　　 真空ポンプ用オイルＶＰＯ－１００は、含浸装置の真空ポンプ用オイルとして　　　 開発されたオイルです。より長時間、真空ポンプの能力が維持されます。

６.　関連商品

項　　　　目 物　　性　　値褐色液体　ユニオン１　１／２マイナス　

0 . 8 6 ～ 0 . 8 86 7 . 28 . 6

2 2 0 ℃ 以 上合　　　　　格

0 . 4 0１ a

0 . 0 1 3合　　　　　格

4 リ ッ ト ル 缶1 8 リ ッ ト ル 缶

N E T 　 4 rN E T 　 18r

外　　　　観密 度 g／j

粘　度　cst （40℃）（100℃）

引 　 火 　 点熱安定性　170℃／2Hr全 酸 化　mgKOH／g

銅板腐食試験残留炭素　mg／r

防 錆 試 験

荷　　　　姿

６.２　防錆剤　　　 含浸工程において被含浸物の防錆や変色防止に大きな効果を発揮します。

項　　　　目 防 錆 剤 Ｌ 防 錆 剤 Ｑ 防 錆 剤 ＧAL、Mg、Cu AL AL、Fe

洗浄、湯浸硬化3 0 ～ 5 00.5～3.0

淡黄色透明液体1.18 ～ 1.20

22 ～ 287.2 ～ 8.2

7 5 0 01 8 0 0

外　　　　観

アトロン缶アトロン缶 アトロン缶N E T 　 2 0 ㎏ N E T 　 2 0 ㎏ N E T 　 2 0 ㎏

適 用 材 質適 用 箇 所

添加量　（％）水の硬度（上限目安）mg／r

密 度　　（g／j）粘 度 　（mPa・s）ｐ Ｈ 　（1％aq）

COD （1％aq）　mg／rBOD （1％aq）　mg／r

荷　　　　姿

洗浄、湯浸硬化7 0 ～ 1 0 00.5～3.0

淡黄色透明液体1.17 ～ 1.19

41 ～ 517.6 ～ 8.6

4 8 0 05 4 0 0

洗浄、湯浸硬化5 0 ～ 7 00.5～3.0

淡黄色透明液体1.20 ～ 1.22

43 ～ 537.2 ～ 8.2

4 1 0 01 1 0 0

本社・工場

浜 松 T S C

四 国 T S C

含 浸 の ト ー タ ル サ ポ ー ト

〒190-1201

〒435-0016

〒799-1342

東京都西多摩郡瑞穂町二本木539 042－557－4901（代）／FAX 042－557－3910静岡県浜松市和田町859-1-6 053－468－2250（代）／FAX 053－468－2252愛 媛 県 西 条 市 大 新 田 9 4 0898－65－4901（代）／FAX 0898－64－5286URL http://www.chuhatsu.com

2004年10月 2,000