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材料力学2 H後期 選択 8.2 連続はり 2012年度 担当:新関雅俊

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材料力学2 2H後期 選択

8.2 連続はり

2012年度 担当:新関雅俊

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8.2 連続ばり

• 3つ以上の始点と連続した2つ以上のスパンを持つはりを連続ばり (continuous beam) という。

• 連続ばりは中間支点を集中荷重に置き換えることで、単純支持はりの問題として重ね合わせ法などを用いて解くことが可能である。

• 中間支点の数が多いことによって解法が一般に困難であることが多い。

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連続ばりの簡便な解法

• 図の第nの始点の前後の2つのスパン 𝑙𝑛−1, 𝑙𝑛および両側の第(n – 1)支点と第(n + 1)支点を考える。

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連続ばりの簡便な解法

• 連続ばりでは「切断法」を使って考える。

• 各支点で切断して、図のような単純支持はりで置き換える。

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連続ばりの簡便な解法

• このとき各支点に曲げモーメント 𝑀𝑛−1, 𝑀𝑛, 𝑀𝑛+1を作用させる。

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連続ばりの簡便な解法

• 単純支持はりでは、支点間に作用する負荷により支点においてたわみ角を生じるが、隣接するスパンに作用する負荷によって生じる支点でのたわみ角への影響を連続ばりではこれらの曲げモーメントによって補正することになる。

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連続ばりの簡便な解法

• 切断したスパン𝑙𝑛−1 と 𝑙𝑛 のはりについて、

それぞれに作用している負荷によって生じる支点 n におけるたわみ角を𝜃𝑛 と 𝜃𝑛′とする。

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連続ばりの簡便な解法

• これらの単純支持はりに働く負荷や曲げモーメントによって生じる支点でのたわみ角は、教科書の付録(付2)を参照するとよい。

• スパンに作用する負荷と支点での曲げモーメントによるそれぞれのたわみ角を重ね合わせることにより、スパン𝑙𝑛−1の支点 n におけるたわみ角 Θ𝑛は次のようになる。

Θ𝑛 = −𝑙𝑛−1 𝑀𝑛−1+2𝑀𝑛

6𝐸𝐼 − 𝜃𝑛

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教科書 付録(付2)

• 両端支持はりのたわみ角

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連続ばりの簡便な解法

• 同様にスパン𝑙𝑛の支点 n におけるたわみ角 Θ𝑛′ は次のようになる。

Θ𝑛′ =𝑙𝑛 2𝑀𝑛+𝑀𝑛+1

6𝐸𝐼 + 𝜃𝑛′

はりが連続であれば、両スパンにおける支点 n でのたわみ角は等しくなければならない。

Θ𝑛 = Θ𝑛′

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連続ばりの簡便な解法

• このことから次の式が得られる。

𝑙𝑛−1 𝑀𝑛−1+2𝑀𝑛

6𝐸𝐼 − 𝜃𝑛 =

𝑙𝑛 2𝑀𝑛+𝑀𝑛+1

6𝐸𝐼 + 𝜃𝑛′

したがって、 𝑀𝑛−1𝑙𝑛−1 + 2𝑀𝑛 𝑙𝑛−1 + 𝑙𝑛 +𝑀𝑛+1𝑙𝑛

= −6𝐸𝐼 𝜃𝑛 − 𝜃𝑛′

が得られる。この式をクラペイロンの3モーメントの式(Clapeyron’s 3 moments equation)という。

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クラペイロンの3モーメントの式

• この式をクラペイロンの3モーメントの式(Clapeyron’s 3 moments equation)という。

𝑀𝑛−1𝑙𝑛−1 + 2𝑀𝑛 𝑙𝑛−1 + 𝑙𝑛 +𝑀𝑛+1𝑙𝑛

= −6𝐸𝐼 𝜃𝑛 − 𝜃𝑛′

連続する2つのスパンの曲げモーメント・長さ・負荷によるたわみ角の間の関係

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クラペイロンの3モーメントの式

• k個の支点をもつ連続ばりの両端支点を除いたk-2個の支点に対してたてることができる式である。

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両端の支点でのモーメント

• 両端の支点では、固定支点でなければ支点モーメントは作用しない。

𝑀1 = 𝑀𝑘 = 0

この2つの式と中間の支点に作用するk-2個の支点モーメントを持ち数として3モーメントの式を立てれば、𝑀2, ⋯ ,𝑀𝑘−1を求めることができる。

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支点でのたわみ角

• 左端あるいは右端が固定支点のときは、Θ1 = 0またはΘ𝑘 = 0であり、Θ1, Θ𝑘はそれぞれ以前に変形した式より次のようになる。

Θ1 =𝑙1 2𝑀1+𝑀2

6𝐸𝐼 + 𝜃1′

Θ𝑘 = −𝑙𝑘−1 𝑀𝑘−1+2𝑀𝑘

6𝐸𝐼 − 𝜃𝑘

となる。

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支点モーメントの計算

• これらの式から、

𝑀𝑘 = −𝑀𝑘−1

2−3𝐸𝐼

𝑙𝑘−1𝜃𝑘

が得られる。この式から𝑀2, ⋯ ,𝑀𝑘−1も求まる。

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支点モーメントから支点反力を求める

• 𝑀1, ⋯ ,𝑀𝑘が求められたので、これを使って支点での反力を求める。

• スパン𝑙𝑛−1, 𝑙𝑛に作用する荷重によって支点𝑛に生じる反力を、それぞれ 𝑅𝑛,𝑛−1, 𝑅𝑛,𝑛 とする。

• 曲げモーメント𝑀𝑛−1, 𝑀𝑛, 𝑀𝑛+1によって支点𝑛に生じる反力は、 𝑀𝑛−1 −𝑀𝑛 𝑙𝑛−1 と−𝑀𝑛 +𝑀𝑛+1 𝑙𝑛 となる。

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支点反力

• したがって、支点𝑛に生じる反力はこれらの合計となる。

𝑅𝑛 = 𝑅𝑛,𝑛−1 + 𝑅𝑛,𝑛 +𝑀𝑛−1 −𝑀𝑛

𝑙𝑛−1

+−𝑀𝑛 +𝑀𝑛+1

𝑙𝑛

となり、各支点の反力𝑅1, ⋯ , 𝑅𝑘はこれで求められる。これで任意の断面におけるせん断力図および曲げモーメント図を作成できる。

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例題8.3

• 図の片端固定の連続ばりにおける各支点の反力と曲げモーメントを求め、せん断力図および曲げモーメント図を描け。

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解答

• はりを区間1~2、2~3で切断すると、それぞれの区間に負荷は作用していない。3モーメントの式で𝑛 = 2として、支点2におけるたわみ角は𝜃2 = 𝜃2

′ = 0となっている。従って、 𝑀1𝑙1 + 2𝑀2 𝑙 + 𝑙 + 𝑀3𝑙 = 0

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解答

• 左支点は固定端である。区間1~2には負荷は作用していないので、𝜃1

′ = 0である。したがって、

𝑀1 = −𝑀2

2

さらに、𝑀3 = −𝑊𝑙であるから、

𝑀1 = −𝑊𝑙

7,𝑀2 = −

2𝑊𝑙

7

となる。これで支点での曲げモーメントが得られた。

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解答

• 次に反力𝑅1については区間1~2に負荷はなく、両端支点に曲げモーメントの作用するはりと考えて、

• 𝑅1 =−𝑀1+𝑀2

𝑙= 𝑊𝑙 7 +2𝑊𝑙 7

𝑙= 3𝑊

7

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解答

• 反力𝑅2については区間1~2と2~3に負荷はなく、𝑅2,1 = 𝑅2,2 = 0となり、

• 𝑅2 =𝑀1−𝑀2

𝑙+

−𝑀2+𝑀3

𝑙

=−𝑊 𝑙 7 − 2𝑊 𝑙 7

𝑙+−2𝑊 𝑙 7 −𝑊𝑙

𝑙= −

12𝑊

7

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解答

• 同様に反力𝑅3については力のつりあいから

𝑅3 +3𝑊

7+ −

12𝑊

7+ −𝑊 = 0

𝑅3 =16𝑊

7

となる。これあらよりせん断力図、曲げモーメント図が得られる。

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解答

• SFD,BMD